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伸びた動画と伸びなかった動画を比較分析する手順

この記事の要点
- 比較は条件(尺・企画の型)が近い動画同士で行う
- 数値の差だけでなく構成要素を1つずつ書き出して比較する
- 投稿タイミングや音源など構成以外の変数も見落とさない
- 仮説は1つずつ反映し、複数動画で検証してから次に進む
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比較分析とは何をすることか?
比較分析とは、自分のアカウント内で伸びた動画と伸びなかった動画を並べ、両者の違いを1つずつ洗い出すことで、次の動画に反映できる仮説を作る作業のことである。他社の動画を参考にする「競合分析」とは異なり、自分の投稿データという最も条件が近いサンプルを使うため、再現性の高い仮説が立てやすいという特徴がある。
本記事は、視聴維持率グラフの見方(「視聴維持率グラフの落ち込み箇所から改善点を特定する方法」を参照)を踏まえた上で、複数動画を横断して比較する具体的な手順を扱います。
比較分析の準備:条件を揃えて動画を選ぶ
比較の精度を上げるには、まず条件が近い動画同士を選ぶ必要がある。尺・企画の型(解説系・Vlog系など)・投稿時間帯が大きく異なる動画同士を比較すると、差の原因が「内容」なのか「フォーマット」なのか切り分けられなくなる。まずは同じフォーマットの中から、完全視聴率が最も高い動画と最も低い動画を2〜3本ずつ選ぶ。
比較分析の手順
ステップ1:数値を並べて差を確認する
選んだ動画の再生数・完全視聴率・平均視聴時間・エンゲージメント数・トラフィックソースの内訳を表にまとめる。この段階では「なぜ」を考えず、まず数値の差がどれくらいあるかを把握する。
ステップ2:構成要素を1つずつ書き出す
冒頭の入り方、テロップの量とタイミング、BGMの選曲、カット割りの頻度、動画の尺、投稿時間帯、キャプション(投稿文)の内容など、動画を構成する要素を1つずつリストアップし、伸びた動画と伸びなかった動画でどう違うかを書き出す。
ステップ3:視聴維持率グラフの形を見比べる
数値だけでなく、視聴維持率グラフの形そのものを見比べる。伸びた動画は冒頭からなだらかに下降しているのに対し、伸びなかった動画は冒頭で急落しているといった違いが見えることが多い。
ステップ4:差が大きい要素から仮説の優先順位をつける
洗い出した要素のうち、伸びた動画と伸びなかった動画で最も差が大きいものから優先的に仮説化する。すべての要素を一度に変えようとせず、影響が大きそうな要素から1つずつ検証する。
比較分析で見落としやすい変数
投稿時間帯とタイミング
同じ内容でも、投稿した時間帯やタイミング(トレンドの旬な時期かどうか)によって初速の反応は変わる。構成の差だと思っていたものが、実は投稿タイミングの差だったというケースは少なくない。
使用した音源の人気度
トレンド音源を使った動画は、音源経由での露出が加わることがある。動画の構成自体の効果と、音源による露出効果を混同しないよう、トラフィックソースの内訳も確認する。
キャプション(投稿文)とハッシュタグ
動画本編だけでなく、投稿文の書き方やハッシュタグの選び方も比較対象に含める。同じ動画でも投稿文次第で検索経由の流入が変わることがある。
比較分析の結果を次の企画に反映する
比較分析で見えた仮説は、次の1本にすべて詰め込まず、優先順位の高いものから1つずつ反映する。仮説を反映した動画を2〜3本投稿し、数値が実際に改善したかを確認してから、次の仮説に進む。この繰り返しが、感覚に頼らない改善サイクルを作る。
比較分析をチームで行う場合の進め方
複数人で運用している場合は、比較分析の結果を個人の主観でまとめず、洗い出した構成要素と数値の差を1枚のシートに整理し、チーム内で共有する。誰が見ても同じ結論にたどり着けるよう、「なぜそう判断したか」の根拠となる数値を併記しておくと、後から振り返る際にも役立つ。
比較のペア数を増やして精度を上げる
1組の比較だけで仮説を確定させず、複数のペアで同じ傾向が繰り返し現れるかを確認する。たとえば「冒頭で結論を言っている動画のほうが完全視聴率が高い」という傾向が、3組中3組で一致していれば、仮説としての信頼度は高くなる。1組だけで一致していても、それは偶然の可能性を排除できていない。
よくある失敗と注意点
- フォーマットが異なる動画同士を比較する:尺や企画の型が違うと、差の原因を取り違える。
- 数値の差だけを見て構成要素を見比べない:数値の差が分かっても、具体的に何を変えるべきかは構成要素の比較なしには分からない。
- 1回の比較で結論を出す:たまたまの結果である可能性を排除するため、複数の比較ペアで同じ傾向が出るか確認する。
- 投稿タイミングや音源の影響を考慮しない:構成以外の変数を見落とすと、誤った仮説を立ててしまう。
比較分析シートの作り方
比較分析を継続的に行うには、簡易的な比較シートを用意しておくと効率がよい。列に「動画A(伸びた)」「動画B(伸びなかった)」、行に「冒頭の入り方」「テロップ量」「BGM」「尺」「投稿時間帯」「トラフィックソース内訳」「完全視聴率」「シェア数」を並べ、動画を追加するたびに埋めていく。数ヶ月分たまると、自分のアカウントに固有の「伸びるパターン」が見えてくる。
ジャンルが混在するアカウントでの比較の注意点
1つのアカウントで複数のジャンル(解説系とVlog系など)を投稿している場合、ジャンルをまたいだ比較は変数が多すぎて参考にならないことが多い。まずは同じジャンル内で伸びた動画・伸びなかった動画を比較し、ジャンルごとに傾向を分けて記録する。
比較分析と視聴維持率グラフの併用
数値の比較だけでなく、視聴維持率グラフの形も並べて確認すると精度が上がる。伸びた動画が「冒頭からなだらかに下降」、伸びなかった動画が「冒頭で急落」という形の違いが見えた場合、フックの作り方こそが最大の差である可能性が高いと判断できる。グラフの形の比較については「視聴維持率グラフの落ち込み箇所から改善点を特定する方法」も参照してほしい。
比較分析の具体例
例:解説系動画2本の比較
同じテーマを扱った解説動画で、片方は完全視聴率が高く、もう片方は低かったとする。冒頭を比較すると、伸びた動画は「結論を最初に言ってから理由を説明する」構成、伸びなかった動画は「背景説明から入り、結論は最後」という構成だった、というケースはよく見られる。この場合、次の動画では結論を先に言う構成を試すという仮説が立てられる。
例:投稿時間帯が異なる2本の比較
同じ企画の型で、投稿時間帯だけが異なる2本を比較したところ、完全視聴率にはほとんど差がなく、再生数だけに差が出ていた場合、内容の差ではなく投稿タイミングの影響が大きいと判断できる。この場合は構成を変えるより、投稿時間帯の見直しを優先する。
比較分析を1人で行う場合のコツ
1人で運用していると、自分の動画を客観的に見比べるのが難しく感じることがある。その場合は、数値だけを先に並べて「感想を持つ前に事実を確認する」順番を徹底すると、主観に引っ張られにくくなる。数値の差を先に把握してから動画を見返すと、構成の違いに気づきやすい。
まとめ:今日から始める1ステップ
今日からできる最初の1ステップは、直近の投稿の中から完全視聴率が最も高い動画と最も低い動画を1本ずつ選び、冒頭3秒の入り方だけを比較することだ。これだけでも、次の動画で試すべき仮説が1つは見えてくる。
よくある質問
比較分析はどれくらいの本数から始められますか?
最低でも同じフォーマットで5本以上投稿してから始めるのが目安。本数が少ないと、比較できる材料自体が不足する。
他社アカウントの動画と比較してもいいですか?
参考にはなるが、フォロワー数や運用歴が異なるため再現性は低い。まずは自分のアカウント内での比較を優先し、他社アカウントの分析は別の切り口として扱うことをすすめる。
何を最初に比較すればいいか分かりません
まずは完全視聴率が最も高い動画と最も低い動画を1本ずつ選び、冒頭3秒の入り方を比較するのがもっとも取り組みやすい。
